司法書士谷口宏平事務所ホーム > 裁判事務関連業務:特定調停とは

支払不能になる前に

 特定調停は裁判所に仲裁に入ってもらって借金を減らし、無利息で返済する手続きです。特定調停は整理したい借金だけを整理できますので、例えばクレジットカードとサラ金から借り入れがあり、サラ金だけを特定調停するということが可能になります。また、裁判所への申し立て費用が安く、債務整理手続きの中で一番費用がかからない手続きです。

特定調停の特徴(特定調停)

借金の減額

 お金を貸す場合、年間にとってよい利息は15〜20パーセントと利息制限法という法律に定められており、これ以上の利息は無効となり払う必要のないものとされています。しかし消費者金融やクレジットなどを利用されている方はご存知だと思いますがその金利は25パーセント以上の高金利がほとんどで、利用者は払う必要のない金利を毎月支払っているということになります。このような高金利で借り入れをすると毎月の支払日に利息しか支払うことが出来ないという事態になってしまいます。特定調停を利用すれば今まで支払ってきた無効な金利分だけ借金を減らすことが出来、その後無利息で返済していくことが出来ます。

借金をした理由は問われません

 自己破産の手続きの場合、ギャンブルや浪費で借金を作ってしまっていると免責不許可事由に該当し、借金の免除ができなくなってしまう場合があります。これに対して特定調停の手続きをとれば、借金をした理由は問われません。ギャンブルや浪費で借金をしていたとしても手続きをすることが可能です。

整理したい借金だけを整理できます

 例えば、借入先が3社あったとします。A社、B社、C社あったとしてB社で借り入れる際に保証人をつけてしまいました。この場合に民事再生をするとA、B、Cすべての借金が対象になってしまいますから、保証人に一括請求されてしまいます。保証人にはどうしても迷惑かけられないという事情があった場合に特定調停がベストな方法といえるでしょう。A、B、CのうちA社だけ特定調停の手続きをして借金を減らし無利息で返済することができ、B、Cに関しては債務整理せずに通常通り返済することができる事になります。

特定調停をした場合のデメリット(特定調停)

 特定調停の手続きをする際のデメリットとしては、自己破産とは異なり職業の制限や破産者名簿への記載などはまったくありません。ここでは債務整理手続きに共通するものを挙げておきました。

債権者による取立て

 特定調停手続きの申し立てを決意した段階で、すでに債権者への支払いが滞っており、債権者から厳しい取立てを受けているという事は非常に多いと思われます。特定調停手続きを申し立てるまでの間、債権者が取り立て行為をする事は違法行為ではありません。しかも債務整理をするという事を知っているような場合、特に厳しく取立てをするという業者もいます。こうした状況から抜け出す為には可能な限り早く特定調停の手続きの申し立てをすべきです。申し立てさえ済めば取立て行為は規制されますので申し立てを決意したのであれば早急に手続きを行いましょう。

 なお、司法書士あるいは弁護士に依頼した場合、その時点で取立てを止める事が出来ます。

信用情報機関への登録

 いわゆるブラックリストといわれるもので今後のローンの審査などに影響を及ぼすものです。特定調停をすると事故情報として登録されます。ただ、自己破産の場合とは異なり、特定調停によって減額された借金を3年間遅れることなく完済できた場合には抹消されるとも言われています(ただ、信用情報機関は国内に複数ありますのでいちがいにはいえません)。

保証人への請求

 保証人の付いた借金がある場合に債務整理の手続きをすると、自分に対する借金は事故扱いとなり、保証人が一括請求を受ける事になってしまいます。どうしても保証人に迷惑をかけたくないという事情がある場合には保証人のついた借金以外を特定調停すべきでしょう。

専門家に依頼した場合のメリット(特定調停)

取立ての停止

 司法書士・弁護士に依頼した場合の最大のメリットは、依頼した時点で債権者の取立てが一切なくなるという点です。この点に関しては法律で定められており(貸金業法21条の六)、司法書士・弁護士が事件に介入した後に取り立てた債権者には営業停止などの厳しい処罰が金融庁より下される事になりますので安心して特定調停の手続きの準備に取り掛かる事が出来ます。

貸金業法 第二十一条の六(取り立て行為の規制)
債務者等が、貸付けの契約に基づく債権に係る債務の処理を弁護士若しくは弁護士法人若しくは司法書士若しくは司法書士法人(以下この号において「弁護士等」という。)に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続きをとり、弁護士等又は裁判所から書面によりその旨の通知があつた場合において、正当な理由がないのに、債務者等に対し、電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は訪問する方法により、当該債務を弁済することを要求し、これに対し債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず、更にこれらの方法で当該債務を弁済することを要求すること。

返済の停止

 弁護士、司法書士に依頼した場合には、借金の総額を確定するため、その時点から特定調停による和解が終わるまでの間返済を一旦停止することが出来ます。

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全国からのご相談を受け付け中。土日祝日、夜間のご相談にも対応しています。

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専門家に依頼した場合の手続き(特定調停)

 ここでは当事務所へご依頼頂いた場合の手続きに関してご説明させていただきます。

司法書士へ依頼した場合の手続きの流れ

緑の字の部分が依頼人にしていただくことになります。

[1] 司法書士への特定調停手続きの依頼

司法書士が依頼を受けたという通知(受任通知といいます)を各債権者に送ります。
受任通知が債権者に届いた時点で、債権者による取立てが規制されます。

[2] 司法書士の指示に従って申立に必要な書類を集めます。

特定調停の申立には住民票をはじめとして、さまざまな書類が必要になります。書類を集めるために同じ場所に何度も往復するというようなことがないように、わかりやすく指示します。

[3] 特定調停申立書の作成

集めていただいた書類をもとに、司法書士が特定調停申立書、その他申立に必要になる書類を作成します。

[4] 司法書士の指示に従って特定調停の申し立てをします。

司法書士と申立の日の打ち合わせをして、司法書士が作成した申立書一式を裁判所へ提出します。当日かかる時間としては30分から1時間程度みておきましょう。

[5] 調停期日(一度目の出頭)

申し立てから約1ヶ月後、裁判所へ再度行くことになります。司法書士と打ち合わせした後、調停期日には申立人、裁判官である調停主任と2人の民事調停委員、債権者の三者によって行われます。具体的な流れとしてはまず民事調停委員が借金の額を利息制限法の金利に基づいて借金の額を減らします。その後、申立人と債権者から両方の意見を聞き、現在の収入に見合うかどうかの話し合いがあり、意見が整理されたところで次回の期日が決められます。

[6] 最終調停期日(二度目の出頭)

二度目の期日では一度目の期日で整理された内容について話し合いがなされ、債権者が申立人の今後の返済についての計画に合意すれば、調停成立です。調停成立後は調停によって定められた方法に基づいて借金を返済していくことになります。

特定調停にかかる費用(特定調停)

 債務整理の手続きは言うまでもなくお金に困った人のための手続きです。しかし、特定調停の手続きをしたいけど、専門家に依頼する費用がない…というように悩まれている方はたくさんいらっしゃると思います。当事務所ではそういった事情を勘案して全てのケースにおいて、報酬は分割でお受けしています(当然無利息です)。

特定調停手続き報酬債権者1社につき2万円分割可能・全国から相談可能

 特定調停手続きとは債権者の取り立てを止めるための受任通知発送から必要書類の収集に関するアドバイス、調停申立書作成、債権者への受理票の通知まで申し立て前から和解までの全ての手続きをサポートする費用です。この費用以外にかかる費用は裁判所への印紙代約3,000円になります。

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